上西竜二のウェブサイト
  1. HOME >
  2. 私の世界観一覧 >
  3.     ご挨拶

私の世界観一覧

日常の中で考えていることや、作品に影響のある世界観を文章に書き起こしてしてみました。

~ご挨拶~

2023/10/20

まず初めに、私に様々な形で関わってくださった皆様に感謝します。

ここに記録を残しているのは2017年の8月です。
今の自分はどんなことを考えているのかというと 「死ぬ前の気分」についてです。


すべきことも約束も課題もなにもなく、ただ見慣れた外の景色を眺め、 夏らしい蝉の声を聴いている。 たったこれだけのことですが、 懐かしさと穏やかな落ち着いた幸福感を感じることができます。


今は私のそばに人はなく、
一人で静かな状態です。


音楽が流れていて、これまでの出来事を色々思い出すこともできるし、人に会うこともできます。

とても自由です。

少し前まで現実に追われて 自分自身を縛り付けて動かしてきましたが、 時々こうやって、死ぬ前の気分に意識を飛ばすと 幸福を感じることができます。


そして自分を縛り付けていた苦痛なことも、 夢中で何かをやったことも、どちらも、 とても貴重で尊いものだと思えます。

渦中や結果の興奮は冷め、残るものは、 その時の経験の記憶、いわゆる「思い出」です。


起こった出来事だけでなく、春先の肌寒さの中にある陽の暖かさ、風の強い曇った日のなんとも言えないあの心地よさ、台風の過ぎた後の空気の澄んだ感じ、晴れた日の秋の空、冬の空の冷たい空気、これらも、立ち止まって体感する度にいつも心を自由にしてくれます。


湧きあがるイメージの雲を可視化していくことの大変さと楽しさ、それと同時に、選択されずに落ちて消えてしまう雨をよく残念に思いながら、どうにもできずに眺めていることもしばしばあって、その度に「存在できない矛盾したもの」をもったいないように思ってきました。


しかし、落ちて消えていった雨のお陰で生まれてくる新たな雲を、また眺めることができる喜びを、いつからかよく知っています。

描くということは、愛情表現の一つであるとわかりました。

自由に対する憧れや、その楽しさを追うこと、それは限りある時間の中で、たくさんのことを経験し、一つでも多くの愛情表現をしていくことのように思います。


作品を通して、私の見た世界と様々な日常の感情や思いに触れてもらえると幸いです。